2008/7/17

言語技術で学ぶこと

最初は「問答ゲーム」という、質問に対して根拠に基づいて答える、簡単なやりとりから始めます。ゲームというくらいですから、ルールがあります。生徒たちはこのルールに沿って問答を繰り返す中で、段階的にコミュニケーションの基本を身につけ、理解していきます。こうして身につけた基礎の上に、レンガを積むように一つひとつの技術を順番に積み上げていきます。授業は全て議論によって実施され、毎回作文によって終結します。最終的には、洗練された構造を持つ小論文が書けるレベルにまで持っていきます。


授業の一例───── 一冊の本を読み解く

一つの例として、文学作品を使った授業の一端をご紹介しましょう。この授業では、ヤング・アダルト向けの小説をまるごと一冊、教材として使用します。これを物語の構成や登場人物の人間関係、舞台の社会背景など、さまざまな視点で読み解いていくのです。
生徒たちは、自分が発見したことや考えたことを、きちんと根拠を示しながら発表します。こうして「自分の考え」を話せることが楽しいようで、授業はとても活発です。技術は、実際に使ってこそ身につくものです。言語技術は、「技術」の呼び名に相応しいシステマティックなカリキュラムに基づいて、生徒と教師が一緒になって授業を作り上げる中で身についていくのです。



受験、ビジネス文書から文学・芸術まで

言語技術の活用領域を、日本の教育カリキュラムと組み合わせると、図のようになります。 情報を読み解き組み立てる技術ですから、すべての科目に有効です。技術というと、文学や芸術とは無縁なイメージを持つかも知れませんが、むしろ逆です。複雑な人の心理や感性を言葉や文章に置き換えるには、とても高度な能力が必要です。言語技術はまさにその領域で役立ってくれるのです。また、契約書など複雑な構造を持つビジネス文書の理解にも不可欠です。言語技術はそのルーツを欧米の国語教育に持っています。欧米型の論理構成を把握したり、それにそって論理を組み立てることにも役立ちます。この効果は特に英語教育ではっきりと現れています。


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