学びの特色

言語技術にチャレンジ!

言語技術は、とてもおもしろい授業なのですが、文章だけですと楽しさがなかなか伝わりにくいかと思います。実際の授業で取り上げる課題を簡略化した言語技術の問題を用意しましたので、皆さんもぜひチャレンジしてみてください!

1. 絵で見るなぞなぞ「判じ絵」

次の3つの絵は、江戸時代に大流行した「判じ絵」と呼ばれるものです。3つの絵の読み方と共通点を、理由も含めてわかりやすく説明しましょう。

【 A 】

A

【 B 】

B

【 C 】

C

出典:岩崎均史『いろは判じ絵』青幻舎

ヒント

それぞれの絵をよく観察して、何が描かれているかを言葉にしましょう。描かれている絵の方向や比率にもヒントが隠されています。3つの絵の共通点がわかったら、理由も含めて誰かに説明してみましょう。

解答例

3つの絵の共通点は、日本の地名を表しているということです。【A】の絵は、目白を表しています。城の壁面にたくさんの目が描かれています。また、城の右側には「濁点」も付いています。つまり、「メ」がついた「シロ」に「濁点」を加えて、「メジロ」となります。次に【B】の絵は、箱根を表しています。人の歯(ハ)と、逆さまになった猫が描かれています。「ネコ」を逆から読むと「コネ」となるので、「ハ」とあわせると「ハコネ」になります。最後に【C】の絵は、築地を表しています。上の白い鳥はツル、下の青い鳥はキジです。ツルの半分、つまり「ツ」とキジが描かれているので、2つをあわせると「ツキジ」と読むことが出来ます。以上の理由から、Aは「目白」、Bは「箱根」、Cは「築地」という、日本の地名を表しています。

2. 次の文章を読んで問いに答えなさい。

けちんぼうが金のかたまりを手に入れました。そして地面に埋(う)めておき、毎日埋めた場所にやってきては、ながめていました。ある日のこと、金のかたまりが盗(ぬす)まれたことに気づいたけちんぼうは、髪(かみ)の毛をかきむしってなきわめきました。けちんぼうがひどく悲しんでいるのを見て、近所の人が言いました。「どうぞ、そんなに悲しまないで。その穴に石を埋めて、それを金だと思いなさい。同じことですよ。だって [ A ] 。」

【問一】
[ A ] にふさわしい文章を書きなさい。
【問二】
この物語の教訓(読者に伝えようとしている教え)は何か。
【問三】
問二で答えた教訓がふさわしい理由を文章で述べなさい。その際、ものがたりの内容にもふれながら説明すること。
ヒント

この問題では、文中から「答えの根拠」を見つけ出す力が鍵になります。つまり「文章を正確に読み取る」ことが最も大切です。「けちんぼうは、埋めた金をどのように扱っていたか」そして「近所の人は、そんなけちんぼうの行動を、どのように見ていたか」に注目して考えてみてください。

解答例

【問一】金があったときも、あなたには何も使いみちがなかったんですから
【問二】財産は持っていることではなく、その使い方で価値が決まるということ
【問三】けちんぼうは金のかたまりを「毎日埋めた場所にやってきては、ながめて」いるだけで満足している。つまり、けちんぼうは財産を持っていることに価値を置いているのである。近所の人が「同じことですよ」と言ったのは、この金のかたまりが地面に埋まったままで今後も活用されないのであれば、ただの石でも変わりはないからである。以上のことから、この物語の教訓には「財産は持っていることではなく、その使い方で価値が決まる」がふさわしい。