【開催レポート】Global Week #2「体験型ワークショップで考える世界のコーヒー」

2019.07.24

7月23日(火)14時~16時まで、本校校舎調理教室にて、Global Week #2「体験型ワークショップで考える世界のコーヒー」を開催しました。

 

2日目の今日は、本校教員の瀧村先生によるドリップコーヒーの講習会付きということで、調理教室で実施しました。本校では昨年からフェアトレードコーヒーを販売していますが、フェアトレードの仕組みやコーヒーが日本に届くまでを学ぶ機会を作ったのは今回が初めてです。

バリスタの大会で入賞経験もある瀧村先生から、美味しいフェアトレードコーヒーが提供され、みんなでおいしく頂きながら、まずはコーヒーにまつわるクイズに挑戦。日本全体で一人当たり350杯のコーヒーを年間で消費していることや、最も高いコーヒーは100グラムで何万円もすることなどを聞いて、会場からは驚きの声があふれました。

続いてコーヒーという植物について、そしてそれが私たちの知っている「茶色いコーヒー豆」になるまでを、写真やスライドを用いて紹介してくれました。実際の生のコーヒー豆と焙煎された後のコーヒー豆を見比べたり、茶色いコーヒー豆になるまでにいくつもの工程があることを知りました。そしてその過程の中で、作業の大半が生産者側で行われていること、それがどれだけ大変で、利益が少ないか、ということを学びました。

その後、グループごとに、ある農業で生計を立てている仮想の村を舞台に、コーヒー業者とのやりとりを体験できるシミュレーションゲームを行いました。村民たちの生活とコーヒー業者の思惑を疑似体験できるもので、畑をコーヒー畑に転化することにより生じる利益・不利益やコーヒー業者だけが知っていること、またその利益の分配の不平等性などを体験的に感じることができました。そしてこれらの問題を解決する一つの手段として、「フェアトレード」という仕組みがあることや、国連が2030年までに達成する17の目標「SDGs」などが紹介され、また個人として出来ることとしてフェアトレードマークが紹介されると、参加者のメモを取る手は止まりませんでした。

最後に、全員でハンドドリップ体験です。瀧村先生からまずどのようにコーヒーを淹れるかをみんなで見学してから、それぞれのテーブルに戻って実際に体験してみました。会場はすっかりコーヒーのいい匂いにつつまれ、自分で淹れたコーヒーを飲んで嬉しそうな参加者の表情が印象的でした。

コーヒーは私たちの生活にとても近い嗜好品です。近年ではすっかり安価で手に入るようになりました。しかしその背景で苦しむ人々がいること、また私たちの知っている「茶色いコーヒー豆」になるまでにはたくさんの作業があることなど、普通に生活していると知ることはまずありません。自分たちの知らないことがたくさんあることを知って、コーヒーに限らずどんなことでもいったん立ち止まって考えるようになってほしいと思います。

参加者のアンケートからは「今日学んだ事を親にも伝えたい」「自分で淹れたコーヒーは美味しかった」「普段飲んでいるコーヒーの裏側の事情が知れて良かった」などの感想がありました。

※今回のワークショップは、認定NPO法人開発教育協会(DEAR)発行「コーヒーカップの向こう側[改訂新版]」を元に企画し実施しました。