【2年A組】フードバンク活動

2021.06.01

 

2年A組(アドバンスト叡智コース)では、本校のオリジナルカリキュラムであるLアワーにおいて、世界の食料問題の解決に挑んでいます。

 4月には、本校食堂の管理栄養士の方に講話をいただき、フードロス問題について考えました。さらに5月には、田植え体験を通じて普段当たり前のように口にしている米がどのようにして作られているのかを体感しました。

 これに続いて5月31日(月)は、フードロス問題について「とうかつ草の根フードバンク」の高橋様にお越しいただき、「フードバンクがなくなる日」というタイトルで講話をいただきました。フードバンクとは、品質に問題がないのに廃棄せざるをえない食品を、企業・団体・個人から寄付してもらい、必要としている人に無償で届けるボランティア活動です。

 まず、日本のフードロスの現状について、クイズを交えながら具体的な数字を挙げてわかりやすく説明してくださいました。生徒たちにとっては初めて知ることも多い様子で、熱心にペンを走らせていました。コメの生産量が735万トンに対して年間のフードロスは612万トンという衝撃的なデータもありました。さらに、ひとり親家庭の相対的貧困率や貧困の連鎖など、生徒たちと同年代の、そして、この麗澤のすぐそばに住んでいる子どもたちの置かれている状況について、最近の実例を挙げながらお話をしてくださいました。

 その後、生徒たちは班ごとに、「なぜ子どもの貧困はあるのか?」「フードバンクが必要のない社会とは?」といった問いについて話し合い、発表しました。

 以下は、生徒たちの感想の一部です。

 

「社会の中で発生した問題は、実は他の問題と密接に関わりのあるものなんだなと思いました。ですがこれは裏を返せば、一つの問題さえ解決することができれば、それは他の問題の解決にも役立つのでこんなに多くの問題は解決できないと諦めるのではなく、まず一つでもチャレンジしたいと思います。」

「今までは、『海外には飢餓で苦しむ人がいるのに日本は食品をたくさん捨てている』という理解をしていましたが、日本人の相対的貧困率は決して低くないということを知ったことで、『日本は食品に困っている人がいるのにも関わらず食品をたくさん捨てている』ということがわかり、驚きました。こども食堂やフードバンクについてほとんど知らなかったので、この2つに実際に携わった高橋さんに教わることができてとても良かったです。具体的な数字が用いられたりと、とても分かりやすく説明してくださいました。本当にありがとうございました。」

「僕はこの活動は、今までのLアワーの中で具体的で実行しやすく有効だと感じた。なぜならどうしても出てしまう食品ロスをうまく活用すれば、救える命があるのだから。まずは、①明日食べるものがないと困っている人がいる。②我々は人の命を捨てるようなことをしてきた。③なぜ「フードバンクが必要な世の中になっているのかを理解する。の三点を皆で共有し、適切な知識のもと、この活動を支援していきたい。そのためにもこの一週間を大切にしたい!」

「なぜ子どもの貧困率が減らないのでしょうか。班で話し合ってもあまりいい案がでませんでした。それと貧困の連鎖が生まれる理由も知りたいです。」

「『もったいない』を『ありがとう』へ、という言葉に感銘を受けた。とうかつフードバンクの支援によって家族の命が救われた、というエピソードを聞き、自分もこの活動をやってみたいなと思った。いつかフードバンクがなくてもみんなが生きていけるような世界になってほしい。」

 

 たくさんの衝撃と刺激を受けた生徒たちの中には、家に帰って家族と話し合った生徒もいました。フードロスを取り巻く諸問題についてさらに自分で調べ、理解を深め、考えていってくれることと思います。

 これから一週間、2Aの生徒たちは学内でフードドライブ(家庭で余った食料品を学校に集約して,これをフードバンクに寄付する活動)を行います。