第4学年 ブラインドサッカー日本代表・佐々木康裕選手による特別講話を実施

2022.02.17

 2月17日(木)6時間目、高校4年生は特別講話としてブラインドサッカー日本代表の佐々木康裕選手のお話を聴きました。佐々木選手は、千葉県の職員として勤めながら、知覚障害の選手が出場する5人制のブラインドサッカーで日本代表に選ばれ、東京パラリンピックにも出場された経歴をお持ちの方です。

 佐々木選手は、先天性の緑内障に加え、ご自身が小学生の頃に網膜剥離が発症し、手術を繰り返す中で視力が低下。全盲になってからは幼いころから大好きであったサッカーを一度は諦められましたが、ブラインドサッカーというご自身の「生きがい」とも言うべき競技に出会い、日本代表選手に選ばれるまで努力を重ねられました。今回、生徒達は事前にブラインドサッカーについて学び、東京パラリンピックの競技を動画で観た上で、直接佐々木選手のお話を聴いたり、質問をする機会を得ました。

 ご講演の中で、佐々木選手は、ブラインドサッカーに出会うまでのご自身の生い立ちと、目が見えない中での競技にどのような苦労や工夫があるのか、その魅力を教えて下さいました。そして、衝突などの危険を回避するため広い体育館を借りて一人で練習されたこと、ラジオを鳴らして音を頼りに空間を把握して練習ををされたことなど、日本代表に至るまでの具体的な道のりや、パラリンピック出場枠を得るまでに悔しい思いをし続けたご経験についてお話下さいました。厳しい練習を重ねる中で、練習中に相手と衝突して耳の鼓膜が破れ、選手としてはもちろんのこと、普通の生活を送る上でも追い込まれたこともあったようです。

 佐々木選手は、東京パラリンピックで最初に出場したフランス戦で思うようなプレーが出来ず、その結果、ご自身の出場時間が短くなり、悔しい思いをされたこともお話くださいました。年齢的にも東京パラリンピックでピリオドを打つ予定だったそうですが、「もう一度忘れ物を取りに行くつもりで練習を再開した」と、力強く語られていました。数々の困難に直面し、悔しい想いを重ねながらも、それでも前を見つ続ける佐々木選手の生き様から、生徒・教員ともに、勇気と大きな刺激をいただきました