【中学2年生】関西研修旅行

2023.11.01

10月23日~26日の日程で、中学2年は、本校の総合学習である「自分プロジェクト」の一環で関西研修旅行(京都・奈良・橿原・伊勢)を実施しました。初日には、新幹線の沿線火災によって、停電した車内で2時間を過ごすという、予期せぬトラブルもありましたが、おかげさまで4日間のプログラムをおおよそ予定通りに終えることができました。

この関西研修旅行は「鹿島神宮・香取神宮の参拝」「国譲り神話が起源の大相撲観戦」と続いてきた「日本文化研究」最後の実地研修でした。これまで「日本神話」や「ご皇室と縁のある神社仏閣」について学びを深めて来ましたが、やはり実際に現地を訪れ、伝統を守る人たちからお話を聴き、先人の想いや願いを感じるという経験は特別なものでした。

初日は、まず清水寺を参拝し、周辺での班別自由行動となりました。二寧坂などでお土産を買い求めたり、歴史のある名刹を見学したりと思い思いに過ごしました。その後、賀茂御祖神社(下鴨神社)を参拝しました。

2日目は、護王神社と京都御所を参拝・見学しました。護王神社は京都御苑の蛤御門のはす向かいの位置にあり、宇佐八幡神託事件などで皇室を守る大きな役割を果たされた和気清麻呂公をお祀りしている神社です。こちらでは正式参拝をさせていただきました。午後は伏見稲荷大社を参拝したのち、奈良公園での班別自由行動を行いました。寺社を見学したり、鹿と戯れたり…と、班ごとに個性のある計画を立てて見学しました。奈良公園を出た後は薬師寺を参拝しました。この日の夕食後には、薬師寺の小林澤応師(本校卒業生)からお話をしていただき、薬師寺を含めた奈良仏教の特性や、仏様の教えについてとても分かりやすく、お話をしていただきました。

3日目は、橿原神宮を正式参拝し、この橿原の地に都を築き、初代天皇として即位された神武天皇の陵を参拝しました。午後は法隆寺を見学しました。パルテノン神殿などと同じエンタシスの柱や日本最古の木造建築を目にし、生徒も感心していました。夕食後には、の伊勢観光協会副会長の山中一孝様(本校卒業生)に神宮についてのお話をしていただきました。お話を聞いて、生徒は神宮参拝が楽しみでならない様子でした。

4日目は、およそ90名の希望者がまだ夜が明けきらぬ中、山中様に先導していただきながら神宮へ早朝参拝を行いました。うっすらと霧のかかった内宮の境内は、参拝客もまばらで静寂に包まれ、神秘的でした。朝食後、伊勢の神宮の参拝です。伊勢では外宮、内宮の順に参拝しました。外宮では平成25年に行われた遷宮で古殿地となったご正宮跡を間近に見ることができ、神宮の建物やその祀り方などについて詳しく知ることができました。また、内宮では、早朝参拝のときとはまた違った雰囲気のある神宮杉の大木に囲まれた森の中のお社を参拝し、自然とともにある神宮の雰囲気を感じました。参拝後はおはらい町とおかげ横丁で自由時間を過ごしました。お土産を購入したり、赤福本店で赤福をいただいたりしながら散策しました。

生徒の振り返りには、「外宮で1500年以上毎日欠かさずに国民が飢えのないようにと祭祀が行われていること初めて知り、心が震えた」、「1000年以上前と同じ姿を見せる『常若』の内宮や外宮を目の当たりにして、その伝統を守り続けてきた人々の想いが文化の本質であると感じた」など、生徒たちが心の眼で観て気づいたことが綴られていました。

この4日間を通して、2日目にご法話いただいた薬師寺の小林澤應師(本校卒業生)からも、「『観光』とは『光を観る』こと」、すなわち「心の眼でこの国の優れた文化をみること」であると教わりましたが、生徒達は、ただ表面を見るだけでは理解することが出来ない「文化の本質」について学びを深め、正しい意味での「観光」をし、神話の時代から今も続く日本という国ができてくる過程での様々な困難や後世を生きる私たちへの思い、今があることの有難みと先人たちへの感謝の心を改めて学ぶことができました。

 

《研修旅行の主な行程》

1日目 清水寺、下鴨神社(新幹線トラブルにより短縮となりました)

2日目 京都御所、護王神社、伏見稲荷大社、奈良公園(東大寺や春日大社等)、薬師寺、宿舎にて薬師寺の小林澤應師による法話

3日目 橿原神宮(正式参拝)・神武天皇陵(OBによる、ご事績の説明もありました)、法隆寺、宿舎にて伊勢観光協会副会長の山中一孝様による講話

4日目 伊勢の神宮(豊受大神宮・皇大神宮)←希望者による早朝参拝も実施