【高校】春期講座にて生物・生物基礎の解剖実験を開催しました。

2024.03.27

高校5年生実験希望者を対象にブタ臓器の解剖実験第2弾を実施しました。

本実験は

・生命維持に重要な臓器である眼球と腎臓の形状や性状を学ぶにあたって実際に実物を自身の目で見る行為は理解の助けとなる。

・解剖をしたことがない生徒の中でも、生物に興味のある生徒や将来生物の分野に携わりたい生徒への実践的な教育を行うことで、将来への意識と生物学のさらなる知識を定着させることができる。

という動機、意義で生徒、保護者ともに同意の上開催されました。

 

今回の実験ではブタ腎臓とブタ眼球を用いて解剖を行いました。

 

腎臓を用いた実験は演示で行い、まず腎臓を二つに分け、皮質と髄質に分かれている様子を確認したり、動脈や静脈、輸尿管が分かれている様子を観察しました。この実験では図で確認を行っていた生徒も、実際の分布を確認すると、その複雑さに驚いているようでした。

その後、別の腎臓を用意し、絵の具を混ぜた蒸留水を動脈から注入することで、どのように腎臓が染まっていくかを確認しました。染料によって皮質が染まる様子を全員で観察し、資料と比較を行いました。この実験は大学入試でも出題され、その問題を解いた生徒からも「問題と同じだ。」という声も上がりました。

 

眼球の解剖では実際の解剖器具を生徒が用いて解剖を行いました。初めて器具を扱う生徒も多く、真剣に解剖を行っていました。

眼球は強膜が強靭であり、解剖には苦労している様子でした。しかしどのように切れば観察できるか、なぜ強膜が強靭にできているのか班員と考察する生徒も見受けられ、積極的に実験に参加していました。

 

スケッチでは絵が上手な生徒も苦手な生徒も、重ねて線を書かない、上手さよりも特徴の正確さを重視する、という学術的スケッチに戸惑いながらも取り組んでいました。

初めて扱う解剖器具も、安全に取り扱い、無事にすべての部位を観察することができました。その後、生徒は教員の指示がなくとも、水晶体がどのようにレンズの役割を果たしているのかや、網膜の構造はどうなっているのかなど、資料を見ながら探究をしている姿が見られました。

今回の実験を通して、生徒が自発的に検証していく姿が見られたことは、実験を単に行うだけではなく、生徒自身が探究的なスキルを身につける上で大いにプラスになりました。

 

生徒からは「日頃意識しない『視る』と現象に対しての意識が高まった。」という感想や「実物を見たことで生物という学問に対して真剣に向き合う心構えができた。」という感想がありました。生命を学び、その神秘性や複雑な性状を知ることのできる大変意義のある実験だったと思います。

今後も、生命を扱う生物という分野において、その責任、意識の重要さと知識を探究し学ぶ精神を養うため、解剖のみならず、実のある実験を提供していきたいと考えています。