7月9日(火)から7月19日(金)にかけて、アメリカのオハイオ州べクスレイ高校から「文学とジャーナリズム」がご専門のJulie Horger(ジューリー・ホーガー)先生をお招きして、言語技術の特別授業《中学1年~高校4年一貫生対象》と映画分析の授業《希望者対象》を実施しました。コロナ禍により交流が中断していたので、ホーガー先生にとっては今回が5年ぶり9回目の来校でした。
中学1年生は「公共広告の分析」を行い、ポスターの細部を注意深く観察したうえで、限られた情報からポスターの意図を読み取りました。中学2・3年生は短編小説を読んで「テクスト分析」を行いました。2年生は登場人物の特徴を分析することに、3年生は生徒自身で分析すべき問いを立てることに挑戦しました。4年生は、ホーガー先生の生徒が企画、取材、編集、発行をしている学校新聞を教材にして「新聞記事の構成方法」を学び、その上で、麗澤で学校新聞を作るなら、どのような内容にするかを議論しました。
また、希望者を対象に映画『インサイドヘッド』と『ノッティングヒルの恋人』の分析授業も実施しました。授業は映画を途中で止めながら、そのシーンについて議論をする形式で、キャラクターや場面設定の変化に注目し、映画全体の主張が何かを考えました。生徒のみならず、教科の枠を超えて多くの教員が参加したことで、議論も大いに盛り上がりました。
ホーガー先生はすべての授業の最後で、「作者は自らの主張を伝えるために、人物設定、場面設定、物語の構造、言葉使い、心内文、会話文など、細部に渡るまで、常に『選択』をしている」ので、「読者や鑑賞者は、作者の主張を掴むために、常に、作者が『なぜ、その選択をしたのか』を考えなければならない」と、分析することの意味や重要性を伝えて下さいました。
2週間という短い滞在時間でしたが、ジューリー・ホーガー先生の授業は、生徒にとってはもちろんのこと、教員にとっても貴重で有意義な学びの時間となりました。