【麗寮(麗澤高校の寮)】では、グローバル社会で役立つ力を育成するための「社会で活躍する卒寮生によるセミナー」を開催しています。今回の講師は卒業生の永富康之さんです。永富さんは小学校、中学校時代の6年間と社会人として今年の2月までの14年間を香港で過ごした経験があります。今回は、香港の現状や歴史的背景、子供時代に感じた香港の様子や、なぜ香港で仕事をすることになったのか、人生の約半分を海外で過ごした経験から感じていらっしゃることなど、寮生に多くの教訓を語ってくださいました。
幼少期の多国籍の人たちとのかかわりの中での言葉の苦労や、人種間によって生じる理不尽な態度、そのような中で培うことのできた国際感覚。そして、「一度しかない人生、悔いのないように生きてみよう」と一念発起し、それまでの日本での仕事を辞め香港に移住されたこと。香港の職場で外国人と仕事をするうえで、日本では当たり前と思われる「他者への気遣いや挨拶」を態度で示し職場の仲間たちの態度も徐々に変わっていったこと。その間の「2019年の香港デモ」を経験して感じたことなどを話してくださいました。どのお話も経験者でなければ分からない思いや感情を生徒に共有してくださいました。
最後には「縁を大切に」「ありがとう、ごめんなさいが言える大人になってほしい」「夢・目標を持とう」と激励で締めくくってくださいました。生徒たちの心にも響いたようで、真剣に話を聞いていました。
講話後には多くの生徒から質問が寄せられ、永富さんの人となりが表れた回答をいただき、生徒たちも大いに勇気づけられたようです。
生徒の感想
・最後の質疑応答で挫折について質問した際に何回挫折してもOK、ため込みすぎずに前向きに考えて友達を頼って、挫折したと考えないなど、新しい視点だったので質問して良かったです。
・たくさんの貴重なお話を聞けました。改めて寮生活は今すぐ活かせるものもあるけど、大半は未来でやっと活かすことができ、それまでの貯蓄だと思いました。だからこそ、あと1年半の寮生活も頑張っていきたいです。
・国や文化が違っても、自分から心を開いて真摯に向き合えば通じ合うことが出来るという事が分かりました。
・今、自分がいる立場を悲観的に捉えるのではなく、何事も考え方を変えると吸収できることが増えるのだなと思った。